Altus
鈴木 崇
2004年7月19日(月)〜8月12日(土)
12:00〜19:00(日曜月曜休廊・土曜日17:00まで)
前回の作品は空=Airを撮ったこの作品は撮ることでその存在を意識させ、撮れないものを撮った不思議と「撮る」とは何か?という問いが次第に見る人を虜にしていく、本当に不思議な作品でした。「撮る」こと、「見る」ことをテーマに、作品の深度をより深めたそのタイトルは「Altus」。これはラテン語で、内奥の/秘密の/根本的な/底深い/計り知れない、という意味です。
写真に写された風景を見るとき、私たちはそこに何を投影させながら、その地平を眺めるのでしょうか?三次元から二次元に移行されたその眺めは、平面を超えてなお我々を遠景へと導びいてくれます。鈴木は写真が与える遠近感や空気感だけを抽出しようと試みています。その方法はただ真摯に写真を撮るという作業だけなのですが。
写真の奥行きの無い世界に存在する奥行きある世界。この果てにある不可視の領域が何かしらの実体を持つことが出来れば、この写真は、何か実際に写されていないものを写していると言えるのではないのでしょうか。
アメリカで写真を学んだ後、デュセルドルフでトーマス・シュトルートの助手を勤め、日本に帰国。写真ということ、見るということ、その魔力に魅せられた鈴木はただ撮るという作業を重ねることで、私たちを別に世界へと誘ってくれるのです。