第12回 写真(の中の)マティス -《オセアニア空》《オセアニア海》を中心に-
第12回
写真(の中の)マティス
-《オセアニア空》《オセアニア海》を中心に-
第12回目は滋賀県立近代美術館学芸員である渡辺亜由美氏をお迎えし「写真(の中の)マティス ー《オセアニア空》《オセアニア海》を中心に一」を開催いたします。 作家と 「写真」は 切り離せない。制作の過程で客観視する為、 自分の眼を超え る為、 または作品や展覧会 の記録 としてなど、 作家たちは様々な立ち位置で 「写真」を扱ってきました。撮影された理由は様々 ですが「写真として記録された もの」から、 私たちは作家が何をしようとしていたのか想いを 馳せ追体験することができます。今回のレクチャーでは、マティスの作品について「 記録写真」から 深く読み解きます。さらには「写真」のしなやかな可能性についても考察する機会と なれば幸いです。
講師:渡辺亜由美
日時:2018年12月15日(土)18:00–19:30
参加費:1,000円(大人) 500円(学生) 1ドリンク・税込
会場:The Third Gallery Aya
主催:824(大八木夏生 菊池和晃) + 福田真知
渡辺亜由美|Ayumi WATANABE
滋賀県立近代美術館学芸員
1984年 千葉県生まれ
2008年 東北大学文学部 美学・西洋美術史研究室 卒業
2011年 大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻 西洋美術史研究室 修了
2014年より滋賀県立近代美術館学芸員として勤務
主な展覧会企画として、 「生命の徴-滋賀と「アール・ブリュット」」(2015年)、「時と風景-未来をつなぐコレクション」(2016年)、 「めぐれ!つながれ!色とかたち。ワイワイわれらのモダニズム」(2017年、成安造形大学との共同企画)など。
滋賀曝立近代美術館所薦の《オセアニア空》《オセアニア海》は、空と濤の生き物がたゆたう樺子を描いた、 アン リ・マティス晩年の作品です。 本作はリネンにシルクスクリーンが施された版画作品ですが、 元々はアトリエの 壁一面に広がった切り紙絵の作品でした。 幸遍なことに、 本作には制作過租を捉えた写真が残されています。 その魅力的な写真たちは、 壁に放たれたオセアニアの鳥や魚たちが姿や屠湯所を変えながら 、 やがて1つの 大きなコンポジションをつくりあげた軌跡を伝えます。作品が謳生しつつある場や時間を切り取ったマティスの 記録写真。 今回は《オセアニア空)《オセアニア 濤》を中心に、 マティスの作品と写真との関係を考えます。