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第14回 写真(の中の)ブランクーシ 

第14回
写真(の中の)ブランクーシ 

第14回目は滋賀県立近代美術館学芸員である渡辺亜由美氏をお迎えし「写真(の中の)」シリーズ第3弾として「写真(の中の)ブランクーシ」を開催いたします。
彫刻家たちはなぜ自作の彫刻作品を写真に写したのか。その中でも、ブランクーシは特に多くの写真を自ら撮影した彫刻家です。彼の残した写真からは、記録写真とは到底思えない演出がなされており、並々ならぬこだわりを感じ取ることができます。更に彼は作品だけでなく自身のアトリエ全体をも写していました。なぜ、立体作品である彫刻を平面の写真に写したのか。彼にとって写真とはどのような意味を持っていたのだろうか。今回のレクチャーでは、滋賀県立近代美術館がコレクションする写真作品を参考に、これらの疑問を渡辺氏の案内で考察していきたいと思います。

講師:渡辺亜由美
日時:2020年2月29日(土)17:30–19:00
参加費:1,000円(大人) 500円(学生)  1ドリンク・税込
会場:The Third Gallery Aya
主催:824(大八木夏生、菊池和晃)

渡辺亜由美|Ayumi WATANABE

滋賀県立近代美術館学芸員
1984年 千葉県生まれ
2008年 東北大学文学部 美学・西洋美術史研究室 卒業
2011年 大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻 西洋美術史研究室 修了
2014年より滋賀県立近代美術館学芸員として勤務
主な展覧会企画として、 「生命の徴-滋賀と「アール・ブリュット」」(2015年)、「時と風景-未来をつなぐコレクション」(2016年)、 「めぐれ!つながれ!色とかたち。ワイワイわれらのモダニズム」(2017年、成安造形大学との共同企画)など。

20世紀を代表する彫刻家コンスタンティン・ブランクーシ。彼は、自ら撮影・現像した興味深い写真を数多く残した作家としても知られています。そこに写るのは、自身の彫刻やアトリエ、時に作家本人の姿です。様々な撮影方法を試しながら、ブランクーシは自分の作品がどのように見られるべきかを示す、理想的なヴィジョンをつくりあげていきました。すべてが刻々と変化するアトリエの空間を捉えた写真は、後世の作家達が自分たちのエフェメラルな作品を残し伝える手段として写真を選択したことを予見するようです。「写真(の中の)」シリーズ最終章となる今回は、ブランクーシの作品と写真との関係を整理するとともに、写真と彫刻の境界についても考えてみたいと思います。

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