第6回 写真(と)絵画-ボードレール、リヒター、ブレッソン、機械の眼と人間の眼-
第6回
写真(⇔)絵画
-ボードレール、リヒター、ブレッソン、機械の眼と人間の眼-
第6回目は、美術史研究者である吉村真氏をお招きし 「写真( ⇔ )絵画- ボードレール、リヒター、ブレッソン、機械 の眼と人間の眼-」を開催いたします。
写真の発明から現在に至るまで、写真と絵画は切っても切れない関係にあります。 互いに影響し合う、それぞれの「眼」。新しいものを知るということは、何かを忘れることでもあり、そして思い出すことが できるということ。融合しながらも相いれない部分。写真と絵画のインタラクションをキーワードにお話を伺いたいと思います。
講師:吉村 真
日時:2017年2月25日(土)17:00–18:30
参加費:700円(税込/1ドリンク付き)
会場:The Third Gallery Aya
主催:824(藤安淳/宇山聡範/福田真知)
吉村 真|YOSHIMURA Shin
美術史研究者
1989 年 京都府生まれ
2011 年 早稲田大学文学部美術史コース卒業
2017年 早稲田大学大学院文学研究科博士課程在籍
これまでフランスの画家ピエール・ボナールに関する論文執筆と学会発表をしてきたが、 最近は東京の若手アーティストとともにイベント・展示の企画もおこなっている。
十九世紀にフランスとイギリスでほぼ同時に写真が発明されたのは、西洋の思想と文化が眼球を機械とみなし、科学的 な遠近法にもとづく絵画を発展させてきたからであった。だがひと度「機械の眼」であるカメラが完成すると、絵画とは想像 力と慣習、記憶と感情、そして独自の生理に彩られた 「人間の眼」 の産物であったことが意識される。 本講では写真の即物的再現性を非芸術と断じた詩人ボードレール、写真の客観性をそのまま絵画に昇華した ゲルハルト・リヒター、絵画に憧れ主観的視像の表現としてスナップ・ショットを確立したカルティエ=ブレッソンの 三人を軸に、写真と絵画の相互作用の一端をとき明かす。