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千年後には、東京

児玉房子

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1992年に発表された「千年後には、東京」は、1991年から1992年の間に撮影された東京のスナップ写真で、毎日新聞「文化欄」、共同通信の配信、「アサヒグラフ」の連載されたものから構成されています。
1990年代初頭の、バブルといわれた時期の東京の街と人々の写真群には、バブルという言葉が持つ否定的なイメージとは裏腹に、明るい光に満ちた一種の透明感が感じられ、まるで別の国の人々のようです。当然のようにこの状況が続くと思っていた「わたしたち」の在り様を児玉の写真を通して客観的に見ることができます。
スナップ写真が持っている表現力は言語化するのが難しいとつくづく思うのですが、児玉のこれらのスナップ写真は、写真にしかできない、街と人の空気感を捉えています。スナップ写真の力とは、そういうことなんだなと妙に納得させられるのです。

写真がさまざまな新聞や雑誌に連載・掲載されるということも、現在はかなり崩壊していて、当時は思いもしなかったように変わってしまいました。撮影したものが同時的にこれらの媒体で掲載されたということが、この時代の空気感を捉えることに貢献しているような気がします。しかし、その状況と今のSNSで繰り広げられている状況との間には、どんな差異があるのでしょうか、状況の変化が写真表現をどう変えていくのでしょうか。

当時、児玉房子の写真を見ながら、なぜこのような写真が撮れるだろうかとずっと不思議だったのですが、今も同じことを思います。タイトル「千年後には」は、児玉作品を考えるのにぴったりなキーワードです。「千年後」という途方もない時間を経てわかることを写真というメディアが捉えることができるかもしれないという作家の予測は、実際のところまだ解けぬ謎でもありますが、約20年と経て今展覧会を開催することで、その予測の数パーセントは確信に変えることができたかもしれません。

2017年10月17日[火]-11月11日[土]
火曜-金曜 12:00–19:00 土曜 12:00–17:00

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