千年後には、東京

児玉 房子

2017年10月17日[火]-11月11日[土]
火曜-金曜 12:00–19:00 土曜 12:00–17:00

1992年に発表された「千年後には、東京」は、1991年から1992年の間に撮影された東京のスナップ写真で、毎日新聞「文化欄」、共同通信の配信、「アサヒグラフ」の連載されたものから構成されています。
1990年代初頭の、バブルといわれた時期の東京の街と人々の写真群には、バブルという言葉が持つ否定的なイメージとは裏腹に、明るい光に満ちた一種の透明感が感じられ、まるで別の国の人々のようです。当然のようにこの状況が続くと思っていた「わたしたち」の在り様を児玉の写真を通して客観的に見ることができます。
スナップ写真が持っている表現力は言語化するのが難しいとつくづく思うのですが、児玉のこれらのスナップ写真は、写真にしかできない、街と人の空気感を捉えています。スナップ写真の力とは、そういうことなんだなと妙に納得させられるのです。

写真がさまざまな新聞や雑誌に連載・掲載されるということも、現在はかなり崩壊していて、当時は思いもしなかったように変わってしまいました。撮影したものが同時的にこれらの媒体で掲載されたということが、この時代の空気感を捉えることに貢献しているような気がします。しかし、その状況と今のSNSで繰り広げられている状況との間には、どんな差異があるのでしょうか、状況の変化が写真表現をどう変えていくのでしょうか。

当時、児玉房子の写真を見ながら、なぜこのような写真が撮れるだろうかとずっと不思議だったのですが、今も同じことを思います。タイトル「千年後には」は、児玉作品を考えるのにぴったりなキーワードです。「千年後」という途方もない時間を経てわかることを写真というメディアが捉えることができるかもしれないという作家の予測は、実際のところまだ解けぬ謎でもありますが、約20年と経て今展覧会を開催することで、その予測の数パーセントは確信に変えることができたかもしれません。

トークベント
 日 時|10月20日[金]19:30–21:00
 参加費|1,000円(1ドリンク付き・FAPA会員20%OFF・税込)
 定 員|25人(要予約・FAPA会員の優先予約枠有)
 申込先|info(at)thethirdgalleryaya.com  06 6445 3557
 会 場|The Third Gallery Aya

児玉 房子

経歴

1945 和歌山市に生まれる
1967 桑沢デザイン研究所・写真科卒業
1970 「世界写真年鑑」(平凡社刊)“若い眼”に選出
以後現在にいたるまで、富士ゼロックスPR誌「グラフィケーション」、新聞、単行本に写真発表

受賞

1993 日本写真協会年度賞
1995 第三回桑沢賞

主な個展

2018 「criteria」The Third Gallery Aya、大阪
2017 「千年後には、東京」The Third Gallery Aya、大阪
2007 「希望の現在」銀座ニコンサロン、東京
1997 「東京郊外」アートグラフギャラリー、東京
1993 「花ざかりの頃、街の人々」相鉄ギャラリー、横浜
1992 「東京キネティック」銀座ニコンサロン、東京
1991 「TOKYO PHOTOGRAPHS」オリンパスギャラリー、東京
1990 「クライテリア」ギャラリ・ヴェリタ、東京

主なグループ展

2021 「ART OSAKA 2021」大阪市中央公会堂、大阪
「Paris Photo 2021」Grand Palais Ephémère、パリ
2019 「Paris Photo 2019」Grand Palais、パリ
2018 「daikanyama photo fair 2018」代官山ヒルサイドフォーラム、ヒルサイドプラザ、東京
「ART in PARK HOTEL TOKYO 2018」パークホテル東京、東京
2012 「White Future:Thinking of Nuclear」GoEun Museum of Photography、釜山
1999 「大辻清司と15人の写真家たち」東京造形大学附属美術館、東京
1998 「女性写真家のまなざし」東京都写真美術館、東京
1993 「About Bigcitys」nGbK、ベルリン
1977 「11人のイタリア写真家と11人の日本写真家」イタリア文化会館、東京
1970 「視圏」銀座ニコンサロン、東京

出版

1992 『千年後には、東京』現代書館
1990 『クライテリア』IPC

パブリックコレクション

東京都写真美術館
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