Untitled-セカイニフレルタメノホウホウ

大西 正一

2011年6月21日(火)-7月9日(土) 
火曜-金曜 12:00 - 19:00 土曜 12:00 - 17:00

6月は大西正一の個展を開催致します。毎年のように個展を積み重ねている大西ですが、今回は一種事典のような趣を呈しています。
写っているものは、大きさもカタチも重さも様々です。それが「写真」というフォーマットに収められ、並べられた時、それらはまるで夜空の星々のようにも見えて来ます。かつて人々は隣り合う点と点を結びつけて星座を作りました。今の我々は星々がまったく違う距離
にあり、大きさもカタチも違うことを知っています。「写真」というメディアを通してまるで星座のように、それぞれの被写体を眺めた時に、見えてくるのは、むしろ被写体自体よりも「写真」という映像に囲まれている我々自身のほうかもしれません。
知識やテクノロジーが想像力を完全に上回りはじめた現在の我々のあり方を「写真」を通して、提示しようとする野心的な試みをご期待下さい。
6月25日(土)17:30-19:00にギャラリーにて竹内厚さん(編集者)と作家による対談を開催します。
是非、参加下さい。
参加費 700円(税込・1ドリンク付)定員25名(要予約)
予約先 06-6445-3557 ayay@osk.3web.ne.jp

アーティストステートメント
「単語」のような写真を撮った。リンゴが中心に写っている「リンゴ」の写真という風に。はじめはこの「単語」を集めて辞書でも作ってみようかと思ったが、進めていくうちになんら体系的にならない様々なカタチの「単語」たちは、自分でも想像できないような出会いや発見を繰り返し、気づけば辞書から遠く離れたところにきている気がした。集められた「単語」を壁に貼って眺めているとふと星空が頭に浮かんだ。夜空の星は、地上から眺めるとあまりに離れているために点にしか見えないが、隣り合っているように見える点は、大きさもカタチも距離もまるで違う。写っているものの大きさやカタチの違いが離れることで等価になるということが星空を想像させたのだった。
僕が行っていたことは「もの」を分類し、整理し、標本に綴じるようなことではなかった。この「単語」の集まりは、何か特定のカタチに集約されるものではなく、増えるたびにカタチを変え、見るたびに印象を変えていくものだった。天文学や科学技術の進歩によって、僕らの知識としての星の数が増えていったように(発見されていったように)、動くたびに、触れるたびに「見ること」が強化されていく、そうした途上にあるのだということ。この途上にあるものに僕は名前をつけられなかった。

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